国内の医療用医薬品市場では大型新薬の特許切れに加え、政府による後発薬利用促進の目標引き上げ(2017年度内に80%)から、より逆風が強まるものと思われます。
日系企業では、昨年2位だった大塚ホールディングスが、統合失調治療薬・エビリファイの米国特許切れに伴い4位に後退。「泌尿器疾患」「オンコロジー」等の領域に強みを発揮するアステラス製薬が売上を約1000億円アップ(昨年比)し2位に返り咲きました。
海外の製薬メーカーは、C型肝炎治療薬を開発したギリアド・サイエンシズが急伸し、後発薬最大手のテバも巨大化するなど、M&Aで活路を見いだそうとするメガファーマを尻目に、独力で業績を伸ばす企業の姿も散見されました。
オンコロジーやアンメット・メディカル・ニーズ領域での創薬は、研究費の高騰に見合わず開発が難航する傾向に。住友化学の子会社である国内売り上げ8位の大日本住友製薬が大規模な早期退職を勧奨するなど、生き残りをかけ様々な動きが出ています。
これからもMRの需要は微減する傾向にある一方で、コールセンターの充実、コントラクトMRでの対応、地域限定のMR、パートタイム型のMR等、様々な形態の働き方も模索されています。また、MSLやオンコロジー専任MRなど、専門性が求められる職種は引き続き優遇されるものと思われます。
いずれにせよMRを取り巻く環境は日々様変わりしており、今後の動向を注視して、タイミングよくキャリアチェンジしていきたいものですね。
(H,O)